ズキン。
イヤだ。
心の奥がジクジク痛む。
桐谷慎が軽い気持ちで理央に抱きついてるのはよくわかってる。
だけど…、目の前でこんなことされたら、嫉妬で心が狂いそうになる。
そんな私の気持ちなんてちっとも気づかずに。
桐谷慎はニッとクールに笑ってこう付け加える。
「言ったでしょ?
尻軽なオンナは嫌いだけどお手軽にヤらせてくれるオンナは好きだって。」
そう言って。
桐谷慎は更に色っぽく理央を抱きしめる。
イヤだ。
触らないで。
私以外の人に触らないで!!
心の中が醜い嫉妬でいっぱいになって。
考えるよりも先に体が動いた。
「……そんなこと…、絶対許さない!!!!!!」
私は桐谷慎の手をパッと握ると。
グイッと無理やり引っ張って、理央から体を離させた。



