「じゃあ…、もう行け。」





そう言って荷物を持って立ち上がり。


俺がエスカレーターと反対方向に歩き出すと




「しゅーちゃん!?」




伊織はすっとんきょうな声をあげた。






バーカ。

俺は転んでもただじゃ起きねぇんだよっ!!!!






「じゃあな~、伊織!!
俺は今から沖縄に傷心旅行に行ってくっから!!!!!!」






そう言ってバイバイと手をふると





「ええ~っ!!!!???」






と伊織はさらに驚きの声をあげる。







「伊織~!!
帰ってきたら部長との恋バナちゃんと教えろよ!!
無視なんかしたら許さねぇからな~!!!」






後ろ手でピースしながら、搭乗カウンターに歩いていくと。







「しゅーちゃん、ありがとう。
本当に……ありがとう……っ。」






って。

アイツはまた泣いていた。