最初はイブに高宮を重ねてた。




アイツにキスしたり抱きしめたりする度。

俺は高宮じゃなくて、高宮の後ろにいるイブを見てた。






高宮は最高のコピーロボットだった。




高宮に“愛してるよ”と言う度に目の前にイブを描いた。


高宮を見るとイブが目の前にいるような錯覚を起こした。




アイツが側にいてくれたら失われたあの温かい時間に戻れる気がしてたんだ。






だからムキになった。

藤堂にも他の誰にもイブは渡さない。

そう…思ってたんだ。











なのに…。

いつからだろう。

俺は高宮を見てもイブを思い出さなくなった。






そうだ…。

多分、高宮に“愛してるよ”と言わなくなった時くらいから。



俺はイブにそっくりな別人、高宮伊織に恋をしたんだと思う。