その日の放課後。

晴人を連れて駅前のカフェへ急ぐ。






カフェの中に入るともうすでにイブは到着していて。

アイス抹茶ラテを飲みながらぽやんとしてた。








「イブ!!」








俺が呼んで軽く手を振ると。

アイツはニッコリ笑って手を振り返した。








「ふ~ん。かわいいじゃん。」



イブを見ながらニマニマする晴人に




「わかったら、手ぇだすなよ。」




と、イブにバレないように脇腹に軽くパンチをお見舞いする。








「は、はじめまして。
慎ちゃんの幼なじみの早坂伊吹です。」



イブが焦ったように挨拶すると、晴人はニッコリ笑って。






「はじめまして。君のウワサはシンからよく聞いてます。俺は幸田晴人(コウダ ハルト)。
よろしくね、伊吹ちゃん。」






と、あろうことかイブの真ん前に座りやがった。












その後は。










楽しそうに笑って。

楽しそうに話す晴人とイブをアイスコーヒーを飲みながらただ眺めるだけ。








つまんない。










な~んか2人は絵の話とか、本の話で盛り上がっててさ。

俺なんて置いてきぼりで、楽しそうに笑ってるし。







あ~つまんない。





ブスッとしながらトイレに立って。

トイレの前であいつらを見ると。






口元に人差し指を当てて。

「ナイショね。」

と、小さな紙をイブに渡す晴人が見えた。