“ただの幼なじみ”




言葉にしてしまえば確かにそうだ。





イブはお隣さんで幼なじみ。







それだけの関係と言えばそれだけの関係。

だけど…、
そんな言葉だけじゃない関係なのは俺もイブも知っている。








「…それだけの関係じゃないよ。」



「はっ?何言ってるの?」


「イブは俺の大切な女の子だよ。イブの代わりなんてどこにもいない。」












イブは幼なじみで

お隣さんで、

友達で、

家族で、

妹で。








俺の埋まらない寂しさを忘れさせてくれる、大切な女の子。









どんなに俺が悪いヤツでも、悪いコトしても。

嫌われててもイブは俺を嫌いになることはないだろう。



どんな時でも










“好きだよ、慎ちゃん”











って言ってくれると思う。











絶対的な信頼感












それがイブにはあった。












「ま。アンタらがヤるって言うなら手加減はしないよ。
お互い死なない程度に頑張りましょ?」








イブを抱えたまま。


リンチ女達に笑いながらバイバイをして、屋上を後にする。












「…うっ…ひっ……。」









俺が守ってやったのに。


やっぱりイブは泣いていた。












俺にとってイブは特別だった。

もしかしたら、出会った時から特別だったのかもしれない。








だけど…。

認めるのが怖かったんだ。

俺みたいなヤツがイブを好きになんてなっちゃいけないと思っていたから。