「…慎…ちゃん…。」







その言葉を聞いた瞬間。





イブは俺の袖をギュッと掴んで。
コテンと俺の胸板に体を預けた。






耳元で聞こえる淡い吐息。

天使のように可愛い、イブ。









龍やオバチャンみたいに全ての外敵から守ってやらなきゃ…とは思わない。






アイツだって人間なんだ。

ずっと誰かが守ってやれるワケじゃない。

一人でも戦っていける強さが必要だ。








だから俺はあんまり“守らなきゃ!”とは思わないんだ。

そんなのアイツの為にはならないから。







だけど…。

俺が原因で起こしている事件なら話は別だ。









自分のケツは自分で拭く。










「ねぇ。わかったら金輪際、イブにこんなことしないで。

したら…マジでオンナだろうと手加減しないから。」








フッと笑いながらバカにしたように見下ろすと






「…ホンキ……??」






イブの髪を掴んでたアホオンナが信じられないという表情をして俺を見つめる。








「なにが?」


「早坂さんの為にそこまでする気?
私達を殴ったなんて知られたらシンこそ、ただじゃ済まないんじゃないの!?」







はあ?
なんだ、そりゃ。








「それがどうしたの?」


「どうしたの、じゃないわよ!!
なんでそこまで早坂さんに入れ込むワケ!?ただの幼なじみでしょう?!」