ぎゃー!!!!

早朝にソレを言うか、この人はぁぁっ!!!!!!!!






申し訳なさと恥ずかしさで真っ赤になりながらうつむいていると。



桐谷慎はペリエをワイングラスに注いでグイッと一気飲みした。






「や~、貴重な体験だったね。」

「は、はいっ?」







居酒屋でクダを巻く親父のようになった彼を見て。

少しヒキ気味に答えると








「いや~。
俺、人生初体験だわ。あそこまでヤらせておきながらス・ン・ド・メって♪」







ひ、ひぃぃぃぃ~!!








天使の笑顔を浮かべながら。
桐谷慎は真っ黒の悪魔のオーラを身にまとう。


今、ヤツをマンガに書いたら赤い怒り印の血管が顔中に浮き出てるにちがいない。







うぅっ。







“この俺様をスンドメさせるなんて、いい神経してんじゃねーか。コノヤロー!!!!!”





って桐谷慎の心の声が聞こえてきそうで怖い。








「そ、その節は大変失礼致しまして……」




深々と頭を下げて丁重に謝ると





「ふぅ~~ん。
一応、反省はしてるんだ。」




桐谷慎は生ハムをフォークに差してプラプラさせながら、上から目線で私を見つめる。






「は、はい。
もちろんでございます。」







びくびくしながら答えると






「…じゃあ…」


「??」


「今からヤらせてくれる??」






そう言って。
桐谷慎はニッコリ笑った。