私は腰を庇いながら。

それこそおばあちゃんみたいにヒィヒィ言いながら必死に服を着る。







―つ…ツライ!!!







人生の中でこんなにツラい着替えがあっただろうかと思うほどの疲労感。






本当…
悪魔の呪いだよ、コレ(涙)






私は乱れたベッドを簡単に整えて。
呪いにさいなまれている腰を押さえながらヨタヨタと寝室を後にした。









寝室の扉を開けると、プーンとイイ匂いが鼻をかすめる。








「アレッ。早いね。」







桐谷慎は何故かエプロンをしたままソファーで横になって雑誌を見てる。


私を見つけてニッコリ笑うと、



「よかったら一緒に食べる??」





と、美味しそうな料理が沢山のったダイニングテーブルを指さした。








「あっ、じゃあ……って………ん??」







桐谷慎のいつもと変わらない表情と態度にホッとしながら。

ありがたく申し出を受けようとしたけども、私はよくよく考えた。






「あ~っ!!!!!!!」







私…昨日は散々桐谷慎をその気にした挙げ句、最後の最後で寸止めして…。



しかも手酷く傷つけて…。



その上、好意に甘えてご飯までごちそうになっちゃったら、人としてもオンナとしても失格なんじゃあ………。







がーーん。