◇ ◇ ◇ ◇




チュンチュン。







カーテンの向こうが暗闇から紺色の光に変わる。




カーテンの隙間から外を見ると、紺色の世界に紫の光が指していた。






もう…朝。








誰かが言ってたっけ。

明けない夜はないって。

だからどんなに苦しいことがあっても、解決しない悩みはないって。








じゃあ…
この気持ちも??









時と共に風化して忘れていっちゃうのかな。
しゅーちゃんの想いも桐谷慎への愛しさも。









う~ん、わからない。






60歳や80歳になった、人間の大ベテランは言うんだろうな。





“その通りだよ”





って。









だけど20年と少ししか生きてない私にはよくわからないよ。


これがずっと続く哀しみなのか、風と共に去り行く思い出なのか…なんて。








紫色から薄いすみれ色に色を変える空。








―もう…行かなきゃ。









ベッドからヨロヨロと立ち上がって裸のまんま散らばった衣服を集める。


だけど…






「…お、重い……(涙)」










立ち上がると異常に腰が重い。


右手で腰を支えながらじゃないと歩けない。






これは確実に昨日のH(寸止め)が原因だよね…。


だけど、それにしたって痛みが尋常じゃない。









もしや…

悪魔の呪い……??








どこまでもノーテンキな私は。
こんな非常事態にも関わらず、そんな訳のわかんない妄想を繰り広げていた。