そう言って。
桐谷慎は首筋をツゥと沿うように舌先で舐め上げた。





「あ…っ。んンっ!!!」


「高宮だって俺が欲しいと思ってるんでしょ~?じゃなきゃこんな声でないよねぇ??」





ヤバい、このままじゃホントにヤられちゃう!!!!!







頭の中はパニック状態。
どうしたらいいのかわからずに、ただもがき続けていると



「ったく。
聞き分けの悪いオンナだな!!!!!!!」





ダンッ!!!!!!!





あまりの衝撃にベッドがきしむ。
グッと今までにない強い力で私の両腕を押さえつけると




「聞き分けの悪いオンナには俺、容赦しないよ??」





と悪魔のように冷たい目をして。
私を見下すように桐谷慎は笑った。




本気の表情をしている桐谷慎は…、よく知っている他人だった。










――怖い。








それは初めて抱いた感情だった。





どんなに悪態をつかれても。

イヤミを言われても。

際どいコトをされても。




桐谷慎を怖いと思ったコトは一度だってない。





いきすぎたセクハラにしたって、私がイヤだと言えば、桐谷慎はやめてくれた。


強引で俺様な男だけど、最後の最後ではいつも逃げ道を用意してくれてた。




だけど…
今、私の目の前にいるこの男はそんな逃げ道なんて用意してくれない。



きっと私のカラダを征服しつくすまで止めてはくれないんだろう。




そう思うと。

私の体は小さくカタカタと震えだした。