「ちょっ…!!」


逃れようともがいても凄い力で両腕を押さえつけられて、身動きができない。



ヤバい。
このままじゃヤバい!!





「やめて、桐谷慎!!!」







どうにかして目の前の野獣から逃れようともがき続けて。
最後の願いをかけて必死に懇願すると




「ほんと…、高宮はバカだね。
自分もその気になってるのに気づかないなんてさ。」




妖艶な笑みを浮かべて。
桐谷慎は私に近づく。






「もっと俺に触って欲しかったんでしょ?」

「ちがっ…!!」





そうじゃない!!
私はただ子供扱いされたのがイヤだっただけだよ!!


“違う!!”と伝えたくて顔を必死にフルフルして誤解を解こうとすると



「じゃあ子供扱いされてどうしてイラついたの?

イヤならいつだって逃げるチャンスはあったのにどうして俺が体に触れるコトを許したの?」





瞳の奥に冷たい光を放ちながら。
桐谷慎は私の気持ちをどんどん追い込んでいく。








「素直に認めろよ。
俺が欲しいからだって。」


「そんな…こ…とっ…!!」




“そんなことない”




そう告げたかった口は桐谷慎の柔らかく熱い唇に強引に奪われた。








チュク、チュク







私の口の中で官能的に動く桐谷慎の舌。

卑猥な水音がベッドルームに響く。




「あ…ふっ…」





たまらず口にだしたあえぎ声を聞いて。
桐谷慎はニッと笑った。






「イイコでいたい伊織ちゃん。
体が繋がるコトに理由がいるなら、俺がいくらだって作ってやるよ。」