「あっ…んっ…ダメぇっ!!」


「ふふっ。“ダメ”じゃないでしょ?」


「ああんっ!!そこ…弱いの…っ!!」


「高宮はバカだね~。
弱いトコ攻めなくてどうすんの。」






ギシギシと遠くで聞こえるベッドのスプリングの音。







だけど……







「あっ…やだっ!!!
負けちゃうっ!!!」


「はーい!!これで俺の3連勝~♪」








私たちがヤってるのは残念ながらHじゃない。







「弱いねー、高宮。」






クスクスと笑うと桐谷慎はゴロンとベッドに横になる。







「しょうがないでしょ!
あんまりやったことないんだもん。」







私たちがベッドルームでヤっていたのはHではなく格闘ゲーム。




正直…

桐谷慎は軽いし速攻ヤられちゃうと思ってたんだけど…。






『じゃ、コレでもする??』






部屋の中に入った私に桐谷慎を差し出したのはコンドームではなく。

大人のいけないあやしいおもちゃ…でもなく。


意外にも健全なプレステ3のソフトだった。










最初はコレを見てギョッとしたんだけど。
“ホレホレ”と促されるままやってたらハマッてしまって…。



今に至る。










「さーて、4回戦目やっちゃおう!!」









満足気な顔を見せて桐谷慎は私にコントローラーをポイッと手渡す。







「次は俺、チェンリーちゃんにしよ~。」








ニコニコしながらキャラを選ぶ桐谷慎の顔はいつもの大人でクールな顔とは少し違って。




子どもみたいな顔して笑うから思わず私も笑ってしまった。