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そして…、Cobraを後にした私は。

あの部屋のチャイムを押す。







ピンポーン







軽やかな音が聞こえるとガチャリと扉が開く。









「あれ。思ったよりも早かったね~。」








目の前にはジャージ姿の桐谷慎。








「ま…その顔見れば何があったのかは想像つくけど…。

まあ、入りな。」









桐谷慎。

アンタは私を助けてくれる?

しゅーちゃんを忘れさせてくれる?











どこまでもズルい私は。

そんな汚い気持ちを抱えながら桐谷慎の手を取った。









「愛してるよ、高宮。」










そんな私の気持ちを知ってか知らずか。

ううん。

カンのいいアンタだもん。

きっと気づいてたよね。









桐谷慎は。

愛の言葉を囁いて私を部屋の中へと招き入れた。