「好きだよ、伊織。
すげぇ好き。」




やめてよ、しゅーちゃん。

そんなこと言われたらもっと顔が赤くなっちゃうよ。







熱を持つ自分の頬を冷まそうと、両手で顔を押さえるとしゅーちゃんはクスッと笑って



「伊織は見た目はクールでカッコいいのに…。
中身はただの奥手な女の子なんだよな~。」




と、私の頭を撫でる。





「伊織の…そういうトコがすげえ好き。
可愛いし愛しいと思う。」







いつもは多くを語らないしゅーちゃんが、耳元で甘い愛の言葉を囁く。

それだけでバカな私は酔いそうになってしまう。





だけど…気づけばよかった。

いつもは多くを語らないしゅーちゃんがこんなにも一生懸命伝えようとしてくれてることには意味がある…ってことに。









しゅーちゃんはしばらく私の髪を撫でて。

恥ずかしがる私を面白そうに見つめたあと。





「伊織。こっちむいて?」



と、私の手をギュッと握った。






驚いて、しゅーちゃんを見ると。

真剣な顔をしてこう言った。







「幸せにするなんて言えない。
何不自由させないなんて言えない。

だけど…俺を好きだと言って欲しい。
俺を選んでくれないか?


俺と…一緒に堕ちて欲しい…。」