しゅーちゃんが指定した時間は19時。

まだ…4時間は時間が余ってる。





きっとこのまま起きてても、モンモンと悪い方向に考えるだけだ。


そう思った私は自分の部屋の扉を開けて。
バスンとベッドへダイブ。




ふかふかのベッドに横になると、思わず緊張が緩む。











気がつくと。

私は眠りに落ちていて。

淡い淡い夢を見た。









夢の中では高校生の頃のしゅーちゃんが笑っていて。




『伊織、好きだよ』




と、後ろから私を抱き締める。







場所は私達が初めて深く愛し合ったしゅーちゃんの部屋で。



私はあの頃みたいに笑ってた。







初めてのキス。

初めてのSEX。

初めて感じた愛しいと思う気持ち。








全部全部、キミが教えてくれたものなのに。



初めての貴方がこんなにも愛しいのに。








『…しゅーちゃん…!!!!』







名前を呼んで抱き締めるとしゅーちゃんはフッと霧のようにいなくなって。









目覚めて宙に浮いた自分の手を見つめて…






「ヤだよ…、しゅーちゃん。」





喪失感に涙が出た。