続く沈黙と重苦しい空気。




それを壊したのは…




「ごめん、伊織。
俺には言い訳なんてできない。

婚約者がいるくせに伊織に手を出した俺が何を言っても…。
お前はきっとムカつくだけだと思う。」




しゅーちゃんのきっぱりとした一言が私の耳に響く。









“俺が見つけてきてやるから!!!!!”








そう言って。

更衣室から駆け出したあの夏の日のように。

しゅーちゃんはきっぱりといいきった。







そして…



「俺にもう一度だけチャンスをくれないか?」


「…え…?」





突然こんなことを言い出した。

予想だにしなかったしゅーちゃんの言葉に思わず怯んでしまっていると。






「今日19時。
Cobraに来て。」







そんな私はお構い無しでしゅーちゃんは話を進める。








「…へっ?」




呆気にとられてポカーンとしていると。








「伊織が俺の顔なんてもう二度と見たくないなら無視していいよ。

だけど…

少しだけでも俺に希望があるのなら、Cobraに来て。

ちゃんと話したいんだ、伊織と。」










そう言って。


しゅーちゃんは静かに電話を切った。