そして迎えた、土曜日。


伊織は10時に家にやってきた。



なんだかんだで俺の家に入るのはハジメテだったから、キョロキョロしながら“へー”とか“すごーい”とかいいながら廊下を歩いてて。





「あ、飲みもんだけ持っていきたいからリビング行こ。」




と声をかけると嬉しそうに頷いた。









リビングの扉を開けて。

オレンジジュースのボトルとグラスをトレイに乗っける。





「じゃ、俺の部屋いこ。」




とトレイを持つと






「しゅ~ちゃん。
お母さんたちは…??」









不安そうに伊織が俺のシャツの裾をクイクイと引っ張る。






「あー。母ちゃん達は旅行。
今日は家にいんの俺だけなんだー。」





と言うと







「えっ!!!!!!??????」








一瞬にして体をこわばらせるアイツ。








はー、マジでコイツ……。







「大丈夫だから。変なことしないって約束するから安心しろ。
そーいうつもりで伊織を呼んだんじゃないから。」






なだめるように優しく言うと伊織はホッと息をついた。









見た目は大人で心は子ども。

そんなアイツのギャップは可愛いんだけど…、時として残酷だ。