そんなある日の帰り道。



「あっ、そうだ!!伊織、今週土曜日時間ある?」



アイツをチャリの後ろに乗っけたいつもの帰り道。
俺はアイツに声をかける。




「ん。その日は大丈夫だよ?」





よっしゃ!!






「じゃーさ。俺んち来ねぇ??」


「えっ!?」


「バカ。変な意味じゃないから安心しろ。

伊織が見たいっつってた海外ドラマ、今母ちゃんがDVD借りてんだよ。寒いし金もないし、2人でまったり見ようよ。」



そう言ったら安心したのか



「……、うんっ!!!」




伊織は無邪気に返事をして、俺の腰をギュウッと後ろから抱きしめる。







普通ならいい。

普通ならいいんだけど…









ポヨーン

プニョーン

プルルーン






高宮伊織はナイスバディ子。

背中に当たる胸の感触が…ヤバい。

厚い冬服でこの感触。







はー。

マジでコイツの彼氏をやるのは大変だ。

襲いたくてたまんない。








だけど…




「じゃあお土産にチーズケーキ持ってくね。私、あれだけは得意だから♪」






無邪気に俺を信じこんでる伊織を見ると…、ほんと俺の煩悩がいやんなる。






「楽しみにしてる!!
あ~早く食べてぇな~!!」

「もぅ!!しゅ~ちゃんは気が早いよ。」

「だって…早く食べたいんだもん。」


お前を。








なー伊織。

いつかでいいからお前の全部を俺にくれる??

俺…優しく出来る自信はないけど、お前のハジメテの男になりたい。




お前の全部を征服したいよ。







紺色の夜の闇に染まる田舎道。

俺は伊織を後ろに乗っけながらそんなことを考えていた…。