「あの子は芯の強い子だけど、あたしみたいに物事ハッキリ言える子じゃない。

呼び出されても“泣いてやらない”とは言ってるけど、言い返しはしない。

それってイジメてる方からすりゃ、イジメがいあると思うんだよね~。」






フッと笑いながら思春期の女を語る一ノ瀬。




ホントに高1か?
コイツ。





怖ぇ…。
女って怖ぇ…。




あんなニコニコしながらこんなドロドロしてんのか……。







俺は女の生体を聞かされて正直げんなり。









「…で?
お前のコトだからなんか俺に要求があんだろ??」








一ノ瀬は計算高いヤツ。
こんなトコに呼び出した…ってコトはなんか理由があるに違いない。








すると一ノ瀬はニィっと笑って

「さすがセンパイ。よくわかってんね。」

と俺の肩を叩く。







「伊織のボディガードをお願いしたいの。」


「はいっ!?」


「ほらー。
部活まではあたしがついてるから平気なんだけど帰りはあたしと伊織、別方向じゃんー。」





トントンとおばちゃんのように俺の肩を叩く一ノ瀬。






もう一度いう。
もう一度いうけどコイツはこの時、ケツの青い高1のガキんちょだ。






なのに…。