は…い…??




「多分…だけど、更衣室に出入りするのって部外者は勇気でないと思うんだよね。

…ってなると、犯人は身内でしょ。」





フゥとため息をはいて更衣室の壁に、もたれかかる一ノ瀬。






「考えたくないけど…、犯人は2、3年のセンパイだと思う。

伊織が目立ってんのが気にくわないのよ。」







俺の頭の中は?でいっぱい。

一ノ瀬の言葉を素直に聞き入れることなんてできそうにない。








水泳部のやつらはみんな気のいいやつらで、あんなイジメまがいのことするやつなんて一人もいない。


女も男もいいやつらばっかだぞ??

アイツらが犯人だなんて…到底思えない。






「だけど、そんな確証はどこにもないだろ??
外部のヤツの可能性だってある。」








願うような気持ちでそう言うと。







「ま…、そう信じたいのはあたしも同じだけどさぁ。
センパイは女を甘く見てるよ。」






自嘲気味に。
一ノ瀬はフフッと笑う。








「伊織みたいに美人で目立つ女は、女にとって目の上のタンコブなの。

ひがみが大きすぎて面白くないワケよ、あの子の存在が。」






はい??





一ノ瀬の語る女の世界がよくわからない。

なんだよ、可愛すぎてヒガむって。

女ってわけわかんねーなーと思ってると。






「初めは良識があるから心の中でガマンすんの。だけど…誰か1人が先頭切ったらあとは積み木崩し。

感覚がマヒしてきてイジメまがいのことが快感になっちゃう。

女ってそーいうモンよ。」











一ノ瀬は。
こんな恐ろしいコトを言い出した。