あの事件以来。
俺はバス通からチャリンコ通学に変わっている。





なんでかって…??

それは……




「ほら、高宮さん。後ろ乗って。」

「は~い!!」





帰りに伊織を家まで送り届ける役目を買ってでたからだ。








それもこれも…


「あら~。藤堂先輩!!
今日も伊織のボディガードぉ??」


「ウルサイ、一ノ瀬!!
心配ならお前が送ってけばいいだろ!?」




肉食女、一ノ瀬理央の策略のセイ。










あの事件の次の日。
何故か俺は昼休みに一ノ瀬に呼び出された。







「なんだよ、一ノ瀬。」






アイツに呼び出されたのはプールサイド。

校舎からも離れてるし、人気もいないし、ちと怖い。



一部の男子からは“姫”と呼ばれてるアイツの正体はケンカっ早いただの肉食女子。




それだけに二人っきりになるのはイヤなんだけど……。








「昨日は伊織を助けてくれてありがとね。」






意外にも一ノ瀬の口からでたのは感謝の言葉。







「あ、…いえいえ、どういたしまして……。」









ガツンと何か言われんのかと思ったからちょっと拍子抜けして。

頭をポリポリかきながら答えると







「だ~け~ど~ね~!!!!!!」








一ノ瀬は突然豹変。








「昨日の事件、犯人誰だかわかってる?」







腕組みをして俺の目をキィっと睨む。








「しっ、知りませんっ!!!!!!」








ビクッとしながら答えると。









「水泳部のセンパイ達だよ。」







と、一ノ瀬は言い切った。