更衣室を出てプールサイドをグルッと回る。







こんなわかりやすいトコにあるわけねーよな~。








銀色の扉を開けて回りを見回してもそれらしきものはどこにもない。






グランド、校庭。
中庭、体育館裏。






ありとあらゆる所を探すけど、それらしきものはどこにも見当たらない。







やべぇな……。








伊織を置き去りにしてから時間が大分たってしまっている。


気温は暖かいとはいえ夜は冷える。




バスタオルを渡したから被っていれば大分あったかいとは思うけど…。

早く見つけてやらなきゃ精神的に参るよな。








見つけてやりたいのに。
早く見つけて安心させてやりたいのに、見つからないアイツのカバン。





しかも…。
アイツが水着のまんまでうずくまってた…ってコトは制服もないんだよな……、多分。








「しょーがねー…。
ここでなかったら俺のジャージを貸してやるっきゃねーな。」









俺はフゥ~と気合いを入れると。
学校の外れ、ゴミ置き場を目指す。








そこは粗大ゴミの墓場で、ありとあらゆるものが捨てられて放置されてる。





そこに捨てる…ってかなり悪意むき出しでヤな感じだけど…。






探さないよりは探した方がマシか。








「よっしゃ、行くか!!!」







俺はゴミ置き場目指して走り始めた。