君を想うと~triangle love~

重い足取りで坂道を登って。

ブルーになりながら部室に着くと、ぐちゃぐちゃの俺のロッカーからしわくちゃになった1枚の紙切れを発見。






「あった~!!!!」







こんなぐちゃぐちゃで大丈夫かと思うくらいぐちゃぐちゃだけど…。

ま。要は出せばいいんだよな。








うんうんと自分を納得させ部室を出ると。

夕焼け色の空は消えて。

薄闇いろの夜の空に変わっていた。







チャリを押しながら。
何かを期待してプールの前を通りかかるけど、さすがに何の水音もしない。







高宮さん、もうさすがに帰ってるよな…。









ふっとプールサイドを見た瞬間。
女子更衣室の明かりが灯っているのを見つけてしまう。








あ…。
まだいんのかな…。








この時の俺は。

まだ伊織のコトを好きだなんて自覚もしてなきゃ、特別な異性として意識してるわけでも何でもなかった。


カワイイ後輩…くらいにしか思ってなかった伊織の存在。






だけど…。

なんでだか気になって。

チャリを止めると、プールの中に入って行ってしまったんだ…。