「秀人(シュウト)みろよ~。」

「ん?」

「1年のナイスバディ子のブルマ姿、超~エロくね??」







悪友の指さす先には運動場。
ブルマ姿でハードルを飛ぶ伊織の姿があった。







「お前な~!!
俺のカワイイ後輩をそーいう目で見んなよ!!」








俺、藤堂秀人、高校2年生。


アイツ。
高宮伊織、高校1年生。








俺が伊織のコトを高宮さんと呼んでたあの頃。



伊織は一部の男子の中で“ナイスバディ子”と呼ばれてた。








そのネーミングは某マンガに出てくるナイスバディのお姉さまから取った安易なネーミングで。




誰が言い出しっぺかはわからないけど、アイツの高校生離れしたプロポーションの代名詞として、いつのまにか定着してた。







「だって見ろよ、あの胸、あのケツ!!
Fカップは間違いないって評判なんだぞ!?」








女の子を見ただけで。
妄想だけでも抜けるあの頃の俺たち男にとっては。




高宮伊織は羨望のマトだった。