悲痛な表情で。
私に訴えかける、しゅーちゃん。






その言葉に心が揺らぐ。








『ほんとに??』







そう言おうと身を乗り出した時。







グイッ。





私の腕をグッと掴むと。
桐谷慎は私の体をグッと引き寄せ抱きしめる。






「だとしても。
お前が高宮を裏切ってたことには変わりない。正直お前と高宮がどうなろうとカンケーない。

だけど、俺はコイツの件において引く気は一切ないから。」






そう言うと。

桐谷慎は私の肩を抱いて、給湯室を後にしようとした。








桐谷慎に肩を抱かれながら。
私の頭の中はしゅーちゃんへの疑問でいっぱい。






高校時代もそうだった。
あんなに好きだって言ってたクセにしゅーちゃんは浮気した。






今度こそ。

今度こそ、大丈夫。

しゅーちゃんを信じていこうと思ってたのに…。







今度は私が浮気相手だった。







どうして?

なんで??







私はドラマみたいな恋愛を望んでるワケじゃない。







お互いをいたわりあって尊敬して、信頼できる…。
そんな穏やかな恋がしたいだけ。






なのにどうして、しゅーちゃんとはそれができないんだろう。






交わりたくても交われない。

繋がりたくても繋がれない。







まるで運命の神様が邪魔してるみたいにすれ違う。