君を想うと~triangle love~

「ウソ…だよね?
しゅーちゃん……。」


「………。」







今なら許すから。

ウソだよって。

びっくりした??って言われても許すから。

だからお願い…。

ウソだと言って??









しばらく続いた沈黙の後。








「ホント…だよ。
俺には…婚約者がいる。」









しゅーちゃんは。
言いにくそうに顔を背けてそう言った。









私の中では。



何かが弾けて壊れそうになっていた。






頭をハンマーで殴られたような。

心をバラバラに砕かれたような。





しゅーちゃんに対する愛しさと憎しみが心の中で交差する。









頭と心がワーッとなって。
狂いそうになったその時。







「俺…、伊織が好きだよ。
伊織を諦めきれないんだ、どうしても!!!!!」






しゅーちゃんはグッと拳を握って。
まっすぐに私を見つめてこう言った。







「伊織。婚約者のコト、言わなかったのは悪いと思ってる。
時間がかかるかもしれないけど…アイツとは別れようと思ってたんだ。」





…え…?






「だから…余計なコトは言わなくてもいいと思ってたんだ。」