どうしよう…

どうしよう…!!!!!!




こんな状況、言い訳なんて何一つできない。




指先は凍えるように冷たくひえて、恐怖のあまりに体が震える。


スーッと血の気がひいていきそうになったその瞬間。







「何って…見てわかんない?」





桐谷慎はギュッと私を抱きしめると。
いとおしそうにホッペにチュッとキスをした。







「キスして欲情してただけだよ。」







桐谷慎はさらに強い力で抱きしめて。
挑戦的な目でしゅーちゃんを見つめる。





「なっ……。」



「わかったら消えてよ。
しゅ・う・ちゃ・ん??」







バカにしたように桐谷慎が微笑むと。







ガタン!!







「ふざけんじゃねー!!
消えんのはアンタなんじゃねーの??」







壁をガンっと思いっきり殴って。
しゅーちゃんは乱暴に桐谷慎のネクタイをグイッと掴む。





「なんで俺が消えなきゃいけないワケ??」


「ふざけんな!!
人のオンナに手ぇだしやがって!!よくそんな白々しいこと言えるな!!!!!!」






お互いに凄い形相をしてにらみ合う二人。







私はといえば。

どうしたらいいのかわからず、桐谷慎の腕の中で震えることしかできなくて。



自分のズルさに呆れて涙が出てきた。