「部長さんが言ってるのはそういうコトよ。
藤堂先輩がアンタの彼氏…って事実は関係ないの。」





そう言って。
理央はグイッとビールを流し込む。





「１度向き合ってみな？自分自身と。」





向き合う？

向き合ったって答えは決まってるわ。
私はしゅーちゃんを選ぶ。





「向き合う必要なんてないもん。」






プシュ







ビールの飲み口を開けて。
負けじと私もビールを流し込む。







「答えなんて決まってるもの。」







私にはしゅーちゃんしかいない。








「ま。今はね。」

「はい!?」

「伊織。
あたしは藤堂先輩を選ぼうと部長さんを選ぼうと、どっちだっていいの。」



そう言って。
理央は私の目をじっと見つめる。





「だけど、自分にウソはつかないで。
欲しいと思う感情は悪いコトじゃないの。」





理央……。






「覚えてて。
世界中がアンタの敵になっても私はアンタの味方よ。」





ニッと笑うと。
理央はビール片手にパンッと軽く私の肩を叩いた。