「それじゃぁ尚くんが辛いでしょ?!アタシは尚くんに辛い思いはさせたくないよ」

「大丈夫。俺はかけるが笑ってればそれでいいから」


なんで・・・

心の奥で真実が叫んでる。


「アタシ・・・」

「俺と付き合ってくれる?」

「・・・ぅ・・・うん」


なんて最低なんだろうか。


「よっしゃ・・・」


最低。最低。最低。


「ごめんね・・・ごめん」

「泣くなよ、俺のことは気にするな」


切なく泣いているアタシを抱き締めてくれる尚くん。


「尚くんっ・・・尚っくん・・・ヒック」

「尚くんはやめてよ、尚でしょ??」

「尚・・・尚・・・尚・・・」


彼の名前を何回も呼んだ。

少しでもるきあを忘れたくて。

尚にすがりついてる。


なんて醜いんだろう。

なんて小さいんだろう。

なんて最低なんだろう。

なんて馬鹿なんだろう。


ただ愛が欲しくて、

ただ愛されたくて、

ただ抱き締めて欲しくて、

ただ愛を呟きたいだけで、

ただ温もりが欲しい。


「尚・・・好き・・・」


そのために嘘をつく。

平気で嘘をつく。