「我慢しないとっ」

「あ、かける頼みがあるんだけど・・・」

「ん??」

「俺と手繋いで??」

「えっ?!?!」


手を繋ぐ??

何のために??


「いいから早く」

「ぅ、うんっ」


普通に手を繋ぐ。握手するときみたいに。

すっごい緊張してる・・・


「かける、これじゃぁ駄目じゃん??」

「え??」


るきあの手がモゾモゾと動く。

何すんの??


「やっぱこれじゃなきゃ駄目だし・・・」


繋いだ手をアタシの顔の前まで持ってきてニコリと微笑む彼。


「恋人繋ぎ・・・」

「さてと・・・行こぉかな」


お互いの指が絡み合っていた。

すごい恥かしい・・・

顔が熱いっ・・・

手汗とか最悪だな・・・

そんなことを思いながら電車に乗り込む。

電車は通勤ラッシュで中年の人が多かった。

痴漢とかいやだな・・・

そう思っていると


「かけるっこっち来い」


いきなりるきあがアタシを抱き寄せた。


「っ・・・」


恥かしい・・・顔が・・・

さっきと同じ感覚に襲われる。