―君へ――


逢うたび低くなる声とか
逢うたび高くなる背とか

近づけずに見てるだけの私とか...


365の数字がいつも邪魔をした
ほんの少しの思い出が
きつく胸を掴んでいるの
恋をする狂おしさも愛しさも
知らずにいれば良かったのに


四角の中でユラユラと
漂う私は周りさえ
見るヒマもなく泳いでいます
小さな世界でユラユラと
焦がれる私は音さえも
聞こえぬフリで逃げてます

賑わう日にはまた逢えると
365の数字を指折り数えては...

近づけずに見ているだけの私です




――金魚――