──理紗。俺たちの関係って、なんだろう?

そんな疑問を抱きつつ、それを理紗に投げかけることもしないまま、俺たちの付き合いは付かず離れずの状態で細々と続き、気が付けば梅雨も明け、夏の日差しが照りつける7月半ばになっていた。

学校ももうすぐ夏休み。

今年の夏は、遊びの予定よりも就職活動や、車の免許を取るための教習所通いで忙しくなる予定だ。

『今日、教習所の申し込みしてきたよ』

いちいち理紗に報告しなくてもいいけれど……

新たな女を引っ掛けに行くのも面倒くさいし、なんとなく理紗にメールを送ってみる。

『わぁ~! いつから通い始めるの?』

返事が来たのは相変わらず3時間後。

そんな時間差のあるのんびりペースが、近ごろ心地いい。

女好きな俺が、女を引っ掛けるのを面倒くさくなるなんて。

俺も、もうオヤジかな?

『あさって。とりあえず一番はじめの学科受けてくる。早く車乗りてぇ!』

『楽しみだね♪ 松永さん、明日はお仕事?』

相変わらず、理紗は約束をしようとしない。

『そう。いつも通り』

しかし、このやりとりは理紗が俺に会いに来ようと企てているサイン。