「かかった!」


小さく来琉さんが呟いた。
二人組の男は、不気味な笑みを浮かべながら先輩と朽木に近づく。


「ねえ君達、可愛いけど、男の子?」


男のうちの一人が話し掛ける。
それに対して先輩はやんわり微笑んで「そうですが、何か?」と言った。

正直、男装していても先輩はどう見たって綺麗な女性。
だけど隣にいる朽木が女性のような顔立ちだから、ごまかされているようだ。

そんなことを考えているうちに、先輩や朽木に動きが見えた。
男達と歩きだしたところを見ると、どうやら作戦成功のようだ。


「オレ達もついて行こっか」


愛琉さんの声に先導されて、俺達は歩きだした。





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