「「ええぇぇ!!?」」


俺と朽木が驚いて叫んでいる横で、擁一郎が目を丸くしている。

朽木をおとりにって…!
そんな危険なことをさせるなんて、できるはずがない。

大体、相手の素性も分かっていないのに、どうするつもりなのだろう。


「な、なんでおれが…?」


怯えながら尋ねる朽木に、先輩は朽木の肩に両手を置き、朽木の耳元に口を寄せた。
そして、真顔で一言。


「可愛いから」

「横暴だよ!」


いたって真面目な先輩に、朽木は叫んだ。

いやいや、確かに朽木は可愛いけど!
そこら辺の女子より可愛いけど!





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