爽司の発した言葉に耳を疑う。


「擁一郎の恋人が…?」


そんなの、学校休んでるのに関係あるに決まってる。
恐らく失踪した恋人を捜しているだとか、そんな感じだろう。

…て、ちょっと待てよ?
確か失踪してるのって…


「ねぇ爽司くん、失踪してるのは男子のはずじゃ…?」


朽木が爽司に尋ねる。

そうだ。
失踪してるのは男子ばかりなはず。


「うん。要先輩、1年の鵜木 雫(ウキシズク)って男子と付き合ってるらしいよ」


…まじかよ。

鵜木って言ったら、確かに名前は知っている。
女みたいな顔してて大人しくて、あれこそ大和撫子だって言う奴もいたような。

あぁ、それにしても、擁一郎も男が好きだったのか。
だから俺が朽木を好きって知っても普通だったのか。





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