眼鏡を外すと人が変わるのか…?なんて考える暇もなく、バン!と力強くドラムが鳴る。
来琉さんだ。

それを合図に、天原がキーボード、愛琉さんがベース、朽木と泉士先輩がギターを奏で始める。
いや、奏でるというより、鳴らすの方が正しいかも知れない。

力強い音がスタジオ中に響き渡る。
機械を通して伝わってくる音の振動が、体や鼓膜を揺する。

すごい。
ただそれだけしか思えなかった。


『どうせ、なんて笑った
 そんな僕を僕は笑った

 恨むなら僕じゃなく
 こんな人生を作った
 やつを恨んでくれ

 君が迷わないよう
 君が楽になれるよう
 僕が背中を押したげる

 格好悪いことなら
 昔から知ってるよ
 だから今さら 僕に隠れて
 泣かないでも良いよ』


そこらへんのバンドグループより、いや、プロより上手いんじゃねぇか、コレ。
そんな思考になるくらい、5人の演奏はプロ顔負けだった。





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