朝から盛大に怒られたものの、本日の美亜はご機嫌だった




キーボードを叩く音は、音楽を奏でるように軽快だ


だが、ブツブツ独り言を言いながらパソコンと向かい合っているため、とても奇怪


呪文を唱えているようにも見える姿


やはり、人物が人物なだけあって、周囲も放置プレイ






かなり集中していたのだろう


瑠璃から声を掛けられるまで、気付かなかった



「美亜さん、お昼に行かれないんですか?」


「へっ?!」



もう、そんな時間?




時計を見ると、12時半に差し掛かろうとしていた



「ご飯!!」



有ろう事か、大切な大切なランチタイムを見逃していたのだ



「瑠璃ちゃん、社食行こ!」



瑠璃のお昼の予定を無視して誘い、弁当を入れてある袋を持ち、急ぎ足で入口に向かった


それに釣られて、瑠璃も慌てて付いて行った