それにしてもここはオープンテラス



美亜達以外には、見ているだけで熱が移りそうな程ラブラブなカップルしかいない


勿論この席を選んだのは美亜であった



「カップルがいっぱいだね……あっ!38組目」



街行く人々の中でカップルっぽい人達を見付け、カウントしていた



「いつからカウントしてんのよ」


「ここに座ってから」



かれこれ20分程は経っている



「あんた今までの話聞いてないわね?」


「………えっ!?…うん」



全く上の空な返事がきた



「いい加減にしなさいよ!人の幸せより自分の幸せの心配しなさいよ」



綾子に怒られ、やっと現実に戻って来た



「えっ?あ、ごめん…で?」


「『で?』じゃないわよ。今月誕生日でしょ。このままじゃ、いつまで経っても幸せは来ないわよ」