「え。何で??」


「ちょっとあってね・・・。お願いっ!!教えて?」


しばらくの沈黙


「・・・わかった・・・話すよ・・・」


良かった・・・


なんとか安心


「翔の親は離婚してるんだ」


蓮くんは続ける


「昔っから翔のお母さんは翔に甘かったんだ
そんなお母さんを見て翔のオヤジは嫌気がさして離婚を申し出た」


「何それ。理由になってないよ!!」


「昔っからお父さんは飲みグセが悪かったんだ。飲んでは暴れ 飲んでは暴れでお母さんも困ってたんだ・・・
だから離婚を受け入れた。」


「そんな・・・」


「翔は父親が育てる事になったんだ。強制的にね」


「・・・」


「そして最後の夜、翔は熱を出してしまったんだ」


やっぱり、と心の奥で思った


「お母さんが付き添いで看病しても治らなかった。ついにお母さんが出て行く時、翔はお母さんの手を離さなかったんだって・・・

翔はお母さんの事が
大好きだったんだ」


あたしは蓮くんにお礼を言って部屋から出た



なぜか、翔に同情した


あたしも・・・お父さんがいない


なぜか、翔に会いたくなった



走って廊下を渡った








.