「…なぁ、希一。俺が佐々木の言う田中だってお前知ってたのか?」 「いや。俺、下の名前までは知らなかった。たまたま。」 「…そうか。」 「ま、そういうのも“縁”ってやつじゃん?きっとだけど、今が陸上を辞めるタイミングじゃないってこと、…だと思わねぇ?」 「…思ったよ。」 「だろー。」 ガハハハハハハ、と豪快に笑う希一。 「頑張れよ、綾人。 これから1年間ヨロシクな。」 「おぅ、こちらこそ。」 空には1番星が輝いていた。