「先輩、走り高跳びの選手で、佐々木斗真って奴知りませんか?」 あぁ、あの佐々木くん。 たまたま見に行った中学大会で空を舞うようにバーを跳び越えていた。 「知ってるけど。」 「マジっすか!?じゃあ話は早いですよ。」 立川くんは、私に伝えたかったことを一気に言って、綾人が来る前にグランドから去っていった。 …それ、私に言う必要があったんだろうか。 最後に、 「判断は先輩にあおぎます。」 と、無責任に去っていった彼の背中がやけに楽しそうに見えた。