「だけど今反応じゃ、満更外れた訳でもないんだよね?」
「はい」
詳しい事情は話せないけれど、目的地くらいなら言っても大丈夫だろう…。
リードは私の返事を聞くと座っていた岩から腰を上げて、こちらを見据えた。
「なら…一緒においで。馬に乗って来たから、ルナティアまでは直ぐだよ」
言い終わると小さく手招きをし、森の中に向かって歩いていく。
きっと木々の間に馬を隠してあったんだろう。
……なんて優しい人なのか。
見ず知らずの私を賊から助けられ、更には目的地まで連れていってくれるなんて。
そんな小さな感動を覚えながら彼の背中を追った。

