俯いていた彼は顔をあげ私を見る。 「ハルカ……最後だから……キスをしてもいいか?」 その言葉に図々しいと思いながらもそれで終わるならって、「うん」と私は頷いた。 彼が近付いてきて彼の指がゆっくりと私の頬に触れた。 彼は優しく何度か頬を撫でる。 キスする前の彼はこの行為を必ず忘れなかった。 この行為は嫌いじゃない。むしろ好きだったのかもしれないと思う。 「ごめん」 彼は呟いて私にキスをした。