俺が奏鈴から目をそらした時、 激しく咳をする声が聞こえた。 「奏鈴?!」 焦って奏鈴のベッドの隣に行く。 「だ…ぃじょ…ぶ…ゴホッ」 痛々しく笑う奏鈴。 ――この笑顔。 何度も何度も見た。 この笑顔を見ると、 すごく切なくなって、 変われるものなら変わりたい、 と思うんだ。 胸が痛いよ… 奏鈴の辛さの方が 俺の倍以上なんだろうけど、 本当に辛い… 奏鈴…