その声にはっとしたリスノは、慌ててレイを抱えなおすとゆっくりと歩みだした。



リスノの向かう先には…浜辺の側にその姿を構える深い森…



「みんな驚くかね…」



そう言って小さく微笑むと、リスノはちらりとレイに視線を送った。



そんなリスノの視線には気付かず、レイの意識は失われたままだ。



…――このふたりの出会いが、これから先に起こる悲しい出来事のきっかけになってしまう…



その事を、この時のレイは…まだ…知らない――…