「……う…ん」 その時、その人物が小さくうめき声をあげた。 その声にはっとしたリスノは、慌ててしゃがみこむとそっと肩の辺りに手をおき体を揺すった。 「ちょっと、あんた!ちょっと!」 しかし、リスノのその呼び掛けに反応する様子はない。 「仕方ないね」 そう言うと、リスノは腕を持ち上げ肩に担ぐような形をとった。 女性にしては少しふっくらとしていて体格のいいリスノは、自分の肩に担いだ人物の顔をチラリと覗き見た。 「え…」