―――――― 「いい天気」 外へ出たレイは、いく当てもなく村の中を歩き回っていた。 クラエスの村に来てだいぶ経つが、まだまだ行ったことのない場所が多くあるこの村は、十分好奇心が刺激される。 今日はどこへ行ってみようかと考えていたときだった。 「あっ…」 思わず呟いたその声に、レイの視線の先にいた人物はゆっくりとその目線をレイへと向ける。 「…異界の人間か」 「オーヴェさん……」