「リスノさん…」



自分の過去――。それはレイの心に深い影を落としていた。



重ねられたリスノの手の下で、レイはぐっと手を握り締めた。



話したい……。



素直にそう思った。自分を本物の家族のようだと、そう言ってくれたリスノに。



でも――…、



「…ごめんなさい」