光の世界 -episode zero-



「俺、さ……」



しばらくぼんやりと月を眺めていたレイだったが、囁くようなその声に、はっと意識を声の主へと向ける。



「俺さ、ここでこうやって月を眺めるのが好きなんだ…」



浜辺に腰を下ろし月を見つめるクリスの隣に、引き寄せられるようにレイも腰を下ろした。



――ザザ…ン、ザザン……



沈黙が……ふたりを包む。



「俺…外の世界が見たいんだ……」

「外?」