レイの目に映ったもの―それは美しい金色に染まる満月だった。 それも、その満月は今にも手で触れられそうなほど近くに見える。 「綺麗だろ。俺の…秘密の場所」 ――ザザン… ぽっかりと森の木々が開けたその場所は、小さな入江のようになっていた。 目の前に迫ってくるような月と、その月を映した海面……。 息を呑むほどの幻想的なその光景に、レイはしばらく言葉を失った。